説明
フランソワ・クープラン(1668-1733)の作品に基づく一曲です。クープランはフランスのクラヴサン(チェンバロ)音楽を代表する作曲家で、装飾音の書き方を細かく規定したことでも知られます。クレメンティはその音楽を、19世紀初頭のピアノで弾ける形に整えて教本に収めました。
ヘ短調の8分の6拍子。374音を約1分に収めた小品で、この曲集では短調で書かれた数少ない曲のひとつです。8分の6拍子の揺れる拍節の上を、音階的な動きが途切れずに流れ続けます。フランス風の装飾は簡略化されており、旋律の線そのものが前に出る作りになっています。
初級レベル。8分の6拍子は、6つ数えるのではなく2つの大きな拍として捉えると流れが出ます。短調ですが重く弾く必要はなく、むしろ軽快に運ぶほうがこの曲の性格に合います。音階的な動きが多いので、指くぐりの位置を先に決めておくと安定します。
クレメンティが1801年に出版したピアノ教本。バロック・古典派の名曲をピアノ独奏用に編曲した50のレッスンからなる
「ピアノ演奏法の芸術 Op.42」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ムツィオ・クレメンティ (1752-1832)
イタリア・ローマに生まれ、若くしてイギリスに渡り、ロンドンを拠点にピアニスト・作曲家・楽器製造業者として活躍しました。「ピアノ奏法の父」とも呼ばれ、教則本「グラドゥス・アド・パルナッスム」やソナチネ集は今日も学習者の定番教材となっています。本サービスでは、「きらきら星」の主題やハイドン・モーツァルトの旋律を用いた教本 Op.42の小品と、ソナチネ Op.36-1の楽章を収録しています。
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