説明
クレメンティの教本 Op.42 に置かれた前奏曲のひとつで、ハ長調の前奏曲と対になる短調の一曲です。教本は調ごとに前奏曲を用意しており、生徒はこれから弾く曲の調に合わせて、対応する前奏曲で手を慣らしてから本編に入るという使い方が想定されていました。
イ短調の8分の6拍子。29音、15秒ほどで終わります。ハ長調の前奏曲と同じく、和音を分散させて調の輪郭を示すだけの内容ですが、同じ白鍵だけを使いながら短調の響きに変わるところが、初学者にとっては最初の「調の違い」の体験になります。
初級レベル。ハ長調の前奏曲と続けて弾き比べると、臨時記号のない同じ鍵盤の上で長調と短調が分かれることが耳で分かります。8分の6拍子は1小節を2つの大きな拍として感じると流れが出ます。技術的な負荷はほとんどありません。
クレメンティが1801年に出版したピアノ教本。バロック・古典派の名曲をピアノ独奏用に編曲した50のレッスンからなる
「ピアノ演奏法の芸術 Op.42」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ムツィオ・クレメンティ (1752-1832)
イタリア・ローマに生まれ、若くしてイギリスに渡り、ロンドンを拠点にピアニスト・作曲家・楽器製造業者として活躍しました。「ピアノ奏法の父」とも呼ばれ、教則本「グラドゥス・アド・パルナッスム」やソナチネ集は今日も学習者の定番教材となっています。本サービスでは、「きらきら星」の主題やハイドン・モーツァルトの旋律を用いた教本 Op.42の小品と、ソナチネ Op.36-1の楽章を収録しています。
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