説明
アルマンドとクーラントのあと、第5番ト長調の組曲は3曲目のサラバンドで歩みを緩めます。サラバンドはスペイン起源とされる3拍子の舞曲で、バロックの組曲では遅く荘重な楽章として中心に置かれるのが定型でした。この「フランス組曲」でも、このあとガヴォットやブーレなどの軽い舞曲が続きます。
ト長調、4分の3拍子。演奏時間は約1分30秒、音数は412です。サラバンドらしく2拍目に重みが置かれるリズムの上で、右手の旋律が装飾を伴いながらゆっくりと歌い、左手の声部がそれを支えます。直前のクーラントが短時間に多くの音を詰め込んでいるのに対し、こちらは一音一音の響きと和声の移り変わりを聴かせる音楽です。
中級レベルで、ゆっくりした曲ならではの音色と時間の管理が求められます。課題は、2拍目の重みを感じながらもテンポを揺らしすぎず、装飾音を旋律の一部として自然に収めることです。D2からC6までの音域なので、61鍵の鍵盤でも演奏できます。再生速度を落として和声の移り変わりに耳を澄ませ、手の色分けで旋律と内声の関係を確かめると、響きのバランスを整えやすくなります。
バッハが作曲した6つの鍵盤楽器のための組曲。バロック時代の舞曲形式を優雅に取り入れた作品群
「フランス組曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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