説明
1827年に書かれた4つの即興曲 D.899 の第1曲です。「即興曲」という題は出版社が付けたもので、実際には綿密に構成された作品です。シューベルトの死の前年にあたるこの年、彼は即興曲を2組、合わせて8曲書いており、いずれも彼の最後の時期を代表する作品群になっています。
ハ短調の4拍子。ユニゾンの一音で呼びかけるように始まり、行進曲風の主題が提示されます。この主題は以後、姿を変えながら何度も戻ってきます。変ホ長調の場面では伴奏に三連音が加わって性格が一変し、やがて主題が短調のまま回帰します。10分近い長さに5000近い音があります。
上級とされるのは、長い時間を同じ主題で持たせる構成力が要るためです。技術的な難所は限られていますが、主題が戻るたびに同じ弾き方をすると、この長さは持ちません。回帰のたびに音色と音量を変え、どこを頂点にするかを決めること。冒頭の一音をどう置くかで、その後の10分の性格が決まります。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
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作曲家について
フランツ・シューベルト (1797-1828)
ウィーンに生まれた作曲家で、わずか31歳で世を去りながら、歌曲(リート)を中心に膨大な作品を残しました。旋律の美しさと転調の妙で知られ、「魔王」などの歌曲は今日でも広く歌われています。ピアノ曲でも「即興曲集」など叙情性豊かな作品を残しています。本サービスでは、即興曲 Op.90・Op.142や「ハンガリー風のメロディ」などを収録しています。
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