説明
3曲からなる「3つの軍隊行進曲」D.733(作品51)の第1番で、シューベルトの作品の中でも特に親しまれている一曲です。もともとはピアノ連弾用に書かれ、さまざまな編曲でも広く演奏されてきました。ここで聴けるのは一人で弾くための版です。
ニ長調の4分の2拍子。行進のリズムに乗った華やかで勇壮な旋律が特徴で、行進曲らしく中間部(トリオ)をはさんで冒頭の部分が戻る構成です。演奏時間は4分半ほど、音数は5133個ほどと多く、装飾的な音型が随所に現れるにぎやかな響きを持っています。音域は嬰ヘ1からニ7まで広く、61鍵には収まりません。
演奏会のアンコールにも用いられる人気曲で、中級レベルの技術ながら明快なリズム感を最後まで崩さずに弾き切ることが求められます。連弾の4本の手を2本にまとめているため、両手の跳躍や和音が忙しくなります。A-Bループで難所を切り出し、再生速度を少し落としたところから付点や連打の歯切れをそろえていくと、行進曲らしい推進力が生まれます。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フランツ・シューベルト (1797-1828)
ウィーンに生まれた作曲家で、わずか31歳で世を去りながら、歌曲(リート)を中心に膨大な作品を残しました。旋律の美しさと転調の妙で知られ、「魔王」などの歌曲は今日でも広く歌われています。ピアノ曲でも「即興曲集」など叙情性豊かな作品を残しています。本サービスでは、即興曲 Op.90・Op.142や「ハンガリー風のメロディ」などを収録しています。
シューベルトの作品一覧を見る →