説明
シューベルトが最晩年の1827年に作曲した4つの即興曲D.935の終曲、ヘ短調です。曲集は没後の1839年に出版されました。シューマンが一つのソナタと見なした第1・2・4番のうち、終楽章にあたる位置を占める曲で、第1番と同じヘ短調に戻って曲集を閉じます。
ヘ短調の8分の3拍子。スケルツォを思わせる速い3拍子の上で、荒々しい三連符が渦巻く主題と、対照的に穏やかな旋律を持つ部分が交互に現れ、終盤ではハンガリー風の情熱的なコーダへとつながります。約8分で4478音ほど。最後は急速な下降の音階で劇的に締めくくられます。
上級に位置づけられ、61鍵では音域が足りないので76鍵以上の鍵盤が必要です。8分を超える大作で、緊張と弛緩を大きく描き分ける持久力と表現力が問われます。速い音階や跳躍が多いので、再生速度を落として難所の指づかいを固め、A-Bループで場面ごとに区切って練習するのが確実です。手の色分けで左右の受け持ちを確かめておくと、テンポを上げたときにも音の粒が崩れにくくなります。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
「ピアノ小品」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フランツ・シューベルト (1797-1828)
ウィーンに生まれた作曲家で、わずか31歳で世を去りながら、歌曲(リート)を中心に膨大な作品を残しました。旋律の美しさと転調の妙で知られ、「魔王」などの歌曲は今日でも広く歌われています。ピアノ曲でも「即興曲集」など叙情性豊かな作品を残しています。本サービスでは、即興曲 Op.90・Op.142や「ハンガリー風のメロディ」などを収録しています。
シューベルトの作品一覧を見る →