説明
「ウォール街のパニック、仲買人たちは憂鬱」——ジョプリンはこのラグの各楽節に、こうした説明文を印刷させました。続く「好況が来る」「好況が来た」「本物の黒人ラグタイムの調べを聴き、仲買人たちは憂いを忘れる」まで、4つの楽節がそのまま物語として並べられた珍しい一曲です。1907年の金融恐慌の記憶がまだ新しい1909年の作品です。
説明文のとおり、最初の楽節は沈んだ響きで始まり、進むにつれて明るさを取り戻していきます。ハ長調で始まった曲は最後の楽節でヘ長調に移り、そこで閉じられます。音数は少なめで、旋律の輪郭がはっきり見える書法です。
技術的な負担は軽い中級曲で、課題は説明文が示す表情の変化をどう作るかにあります。同じ左手の型の上で、和音の重さと旋律の歌い方だけを変えて「憂鬱」から「好況」へ移ること。標題を持つラグとして、音色の設計がそのまま演奏の内容になります。
スコット・ジョプリンを中心とした、シンコペーションを効かせたアメリカ発祥のラグタイム音楽を収録。ジャズ誕生の土壌となった軽快なジャンル
「ラグタイム」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
スコット・ジョプリン (1868-1917)
アメリカ・テキサス州に生まれたアフリカ系アメリカ人の作曲家で、「ラグタイムの王」と呼ばれています。シンコペーションを効かせた軽快なリズムと洗練された和声を融合させ、「メイプルリーフ・ラグ」の大ヒットによりジャンルを一躍全国的に広めました。本サービスには「ジ・エンターテイナー」や「イライト・シンコペーションズ」など18曲を収録しています。
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