説明
落ち着いた短調の旋律が二つの声部の間で受け渡される、抒情的なホ短調のインヴェンションです。曲集はハ長調から主音を順に上げながら長調と短調の曲を並べており、この第7曲は第6番ホ長調のすぐあとに、同じ主音の短調として表情を一転させます。明るい第6番と続けて聴くと、同じ主音でも長調と短調で響きがどれほど変わるかがよく分かります。
速さや華やかさよりも、旋律線の陰影や和声の移り変わりに耳を向けさせる書き方です。4分の4拍子、音域はC2からC6までで、約63秒に473音という、曲集の中では標準的な規模にまとまっています。
技術的な負担は中程度で、表現の課題に集中しやすい一曲です。フレーズの山に向かって音を膨らませ、終わりに向けて自然に収めていく弾き方が求められます。再生速度を落としてフレーズの終わりの和音を聴き取り、楽譜表示で句の区切りを確かめながら練習すると、旋律の呼吸がつかめます。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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