説明
8分の3拍子の小さな単位が速く刻まれる、明るく弾むようなニ長調の曲で、インヴェンション集で最初に現れる3拍子系の一曲です。ハ長調、ハ短調に続く第3曲にあたります。バッハはこの曲集を1723年に清書し、それ以前には長男ヴィルヘルム・フリーデマンのための鍵盤音楽帳に初稿を書き込んでいました。家庭で息子に鍵盤と作曲を教える教材が、のちに広く学ばれる曲集へとまとめられたのです。
主題は一方の手に現れたあと他方の手に受け継がれ、両手が同じ音型を交互に投げ合いながら進みます。約67秒の中に495音が収まり、音域はD2からB5に及びます。
1小節を一つの拍として感じると流れが生まれ、8分音符を一つずつ数えると重くなりがちです。軽快なテンポのため両手の受け渡しが速く、左手の音型も右手と同じ明瞭さで弾くことが求められます。再生速度を落として左右が投げ合う音型を手の色分けで追い、A-Bループで受け渡しの箇所を繰り返すと、テンポを上げても流れが崩れにくくなります。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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