説明
1小節に3つの大きな拍があり、それぞれが8分音符3つに分かれる8分の9拍子で書かれた、明るく軽快なト長調の小品です。4分の4拍子や3拍子が多いインヴェンション集の中で、この第10曲は複合拍子をとり、曲集の拍子の多様さを示しています。演奏時間は約51秒と短く、弾むリズムと明るい響きが結びついた、曲集の中でも親しみやすい一曲です。
主題は和音を分散させた動きを中心とし、両手の間で受け渡されながら、全体に弾むような流れが続きます。音域はD2からC6まで、音数は439です。
3つずつの音のまとまりを均等にそろえ、大きな3拍の流れを崩さないことが課題です。和音を分散させた音型は手の形を素早く変える必要があり、跳躍が続く箇所では位置の移動に慣れておくと安定します。再生速度を落として3つずつの音のまとまりを確かめ、A-Bループで跳躍の多い箇所を繰り返すと、軽やかなテンポに近づけます。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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