説明
途切れない細かい音の流れの中から、歌うような旋律線が浮かび上がるイ長調のインヴェンションです。曲集の終盤に入る第12曲で、第10番の8分の9拍子と同じく複合拍子の8分の12拍子をとります。音数は曲集の中でも多い部類に入り、前半の曲より長い句を扱うため、曲集の仕上げに近い段階で取り組む曲です。
大きな4拍のそれぞれが3つに分かれる拍子の上に、細かい音符の流れが重なり、主題は両手の間で受け渡されます。音域はC#2からB5まで、約73秒で685音です。
細かい音型を滑らかにつなげる技術と、それを単なる音の連なりではなく旋律として聴かせる音楽性の両方が試されます。8分の12拍子は大きな4拍で感じると、細かい音に引きずられずに済みます。再生速度を落として拍の頭がどこにあるかを確かめ、楽譜表示で音型のまとまりを見ながら練習すると、流れの中の旋律が見えてきます。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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