説明
前半と後半をそれぞれ繰り返す二部形式で書かれ、舞曲に近いつくりを持つホ長調のインヴェンションです。15曲の多くが切れ目なく続く形をとるなかでこの第6曲は例外で、そのぶん演奏時間も約2分20秒と曲集で最も長くなっています。
一方の手がシンコペーション(拍をずらしたリズム)を含む旋律を弾き、もう一方の手は音階で滑らかに下行していきます。後半では両手の役割が入れ替わり、同じ素材を上下逆にした形で聴くことができます。8分の3拍子で、音域はB1からB5まで。長さのわりに音数は547と少なめです。
拍の裏に入るシンコペーションを、つまずかずに自然に揺らすことが最初の課題です。音数が少なく一音一音が目立つため、拍を正確に保ちながらも硬くならない弾き方が求められます。再生速度を落として左右のリズムのずれを手の色分けで確かめ、A-Bループでシンコペーションの箇所を繰り返すと、拍の感覚が安定していきます。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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