説明
旋律と対旋律の区別がつきにくいほど両手が対等に動き、主題を緊密に受け渡すロ短調の曲で、15曲のインヴェンション集を締めくくります。ハ長調から始まった曲集は、ここで最も高い主音を持つ調に到達し、短調の引き締まった印象で閉じます。第1番ハ長調から順に弾き進めてきた人にとって、ここが到達点になります。
約52秒に477音という、演奏時間のわりに音数の多い密度の高さが特徴で、4分の4拍子の短い時間に対位法的なやりとりが凝縮されています。音域はC#2からC6までです。
短い曲ですが音の密度が高く、テンポを保ったまま二つの声部をはっきり弾き分ける力が求められます。曲集を順に学んできた人にとっては、それまでの曲で身につけた声部の弾き分けを確かめる仕上げの一曲になります。再生速度を落として両手の受け渡しを手の色分けで確かめ、A-Bループで込み入った箇所を繰り返してから、本来の速さに近づけてください。
バッハが息子の音楽教育のために作曲した15曲からなる2声の対位法練習曲集。BWV772-786
「2声のインヴェンション」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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