説明
曲集の後半「大きな子どものために」に入ると、音の動きも表現の幅も広がります。第25曲「劇場からの響き」はその一つで、劇場で聴いた音楽の余韻を子どもの視点から再現したような性格を持っています。シューマンが1848年に書いた「子どものためのアルバム」Op.68の一曲です。
イ短調の4分の2拍子。華やかなパッセージと表情豊かな旋律が交錯し、オペラの一場面を思わせる劇的な起伏を作り出しています。演奏時間は約1分40秒、音数は1086個と1000を超えており、短い時間に多くの音が詰め込まれています。音域はホ2からハ6で、61鍵の範囲に収まります。
動きの多い中級レベルの作品で、指の運びに勢いが求められる、演奏効果の高い曲です。劇的な場面と歌う場面の切り替えがはっきりしているため、その対比を音量と音色で描き分けることが聴かせどころになります。速いパッセージは再生速度を落としてA-Bループで指使いを固め、手の色分けで両手の役割を確かめてから、勢いを保ったまま全体をつないでください。
シューマンが娘マリーの7歳の誕生日に贈った43曲からなるピアノ曲集。子どもから大人まで楽しめる音楽的に豊かな作品
「子どものためのアルバム Op.68」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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