説明
指の訓練を主眼に置いた「小さな練習曲」は、全43曲からなるシューマンの「子どものためのアルバム」(1848年)の第14曲です。物語や情景を描いた曲が多い曲集の前半「小さな子どものために」の中で、題名どおり練習曲の性格をはっきり持つ一曲です。
ト長調の8分の6拍子。休みなく動き続ける分散和音の音型が両手に課され、和声の流れがそのまま細かな動きとして現れます。均等なタッチと素早い指の運びが求められます。演奏時間は2分弱、音数は570個ほどで、音域はト2からト5までと61鍵の範囲に収まります。
技巧的な性格が強い分、旋律の歌わせ方よりも運指の正確さに注意を向けたい曲といえるでしょう。両手の間で音型が受け渡される箇所では、つなぎ目で音が途切れたり重なったりしやすくなります。手の色分けで受け渡しの位置を確かめ、再生速度を落としてA-Bループで繰り返すと、粒のそろった流れが作れます。集中力を切らさずに弾き通す持久力も試されます。
シューマンが娘マリーの7歳の誕生日に贈った43曲からなるピアノ曲集。子どもから大人まで楽しめる音楽的に豊かな作品
「子どものためのアルバム Op.68」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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