説明
原題を訳すと「5月よ、愛しい5月よ、もうすぐまた来てくれるね」。春の訪れを待ちわびる気持ちを込めたこの「愛しい5月よ」は、シューマンが1848年に書いた「子どものためのアルバム」Op.68の第13曲で、前半「小さな子どものために」に置かれています。
ホ長調の4分の2拍子。春を喜ぶ内容にふさわしい、明るく親しみやすい旋律を持っています。演奏時間127秒に784の音符という規模で、穏やかな曲想の中にも音の動きがあります。音域は嬰ハ3から嬰ハ6で、61鍵のキーボードで弾くことができます。
中級レベルの技術を要し、調号にシャープが4つ並ぶため、黒鍵を含む手の形に慣れることが最初の課題です。そのうえで、旋律を柔らかく歌い、伴奏を軽く添えることで、希望に満ちた雰囲気が生まれます。再生速度を落として手の色分けで旋律と伴奏を確かめ、フレーズの終わりを丁寧に収める練習をすると、印象深い仕上がりになります。
シューマンが娘マリーの7歳の誕生日に贈った43曲からなるピアノ曲集。子どもから大人まで楽しめる音楽的に豊かな作品
「子どものためのアルバム Op.68」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
シューマンの作品一覧を見る →