説明
シチリア地方に由来するとされる舞曲の名を持つ第11曲「シチリアーナ」は、シューマンが1848年に書いた「子どものためのアルバム」Op.68の一曲です。この舞曲はゆったりと揺れる付点のリズムを特徴とし、曲集の前半「小さな子どものために」の中では音数の多いほうに入ります。
シチリアーナらしい8分の6拍子で、揺れるようなリズムに乗った哀愁を帯びた旋律が印象的です。演奏時間124秒に795の音符と、前後の曲と比べて素材の多い作品です。音域はロ2からト5までで、61鍵の範囲に収まります。
中級レベルの技術が求められ、フレーズの抑揚を丁寧に描く感性と、揺れるリズムを安定して保つ集中力が必要です。8分の6拍子を2つの大きな拍で感じ、付点のリズムを重くしすぎないことが、舞曲らしい柔らかな揺れにつながります。テンポが崩れやすい箇所はA-Bループで繰り返し、再生速度を少し落とした状態で拍の位置を体に覚えさせてから、もとの速さに戻すとよいでしょう。
シューマンが娘マリーの7歳の誕生日に贈った43曲からなるピアノ曲集。子どもから大人まで楽しめる音楽的に豊かな作品
「子どものためのアルバム Op.68」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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