説明
「千夜一夜物語」の語り手シェエラザードの名を持つ小品で、シューマンが1848年に書いた「子どものためのアルバム」Op.68の第32曲にあたります。曲集の後半「大きな子どものために」に置かれ、物語を語りかけるような性格を持っています。
イ短調の4分の4拍子。語りかけるような旋律の抑揚と、異国情緒を感じさせる和声の色合いが特徴です。演奏時間は3分半ほどとOp.68の中でも規模の大きい一曲ですが、音数は784個ほどで、速さよりも語りの間合いを聴かせる作品です。音域はイ2からイ5の3オクターブで、61鍵の範囲に収まります。
中級レベルの作品で、場面転換のような曲想の変化を丁寧に描くことが求められます。同じ旋律が戻ってくるたびに、語り手が声色を変えるように表情を変えられるかが聴きどころです。長めの曲なので、A-Bループで場面ごとに区切って練習し、再生速度を落として和声の色が変わる瞬間を確かめてから、全体を一つの物語としてつないでください。
シューマンが娘マリーの7歳の誕生日に贈った43曲からなるピアノ曲集。子どもから大人まで楽しめる音楽的に豊かな作品
「子どものためのアルバム Op.68」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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