説明
細かく動く右手と、一定に刻む左手の伴奏——両手の役割分担がはっきりしてくるのが、「160の8小節練習曲」作品821の第3番です。8小節という枠は変わらないまま、第1番・第2番より音の密度が一段上がり、曲集を順に追うと扱う動きが少しずつ複雑になっていくのが分かります。
4拍子のハ長調で、右手は160を超える細かい音を担い、音階と跳躍が混ざった音型が続きます。左手は和音の構成音を跳び回り、同じ音を繰り返す場面も多く、伴奏として一定のリズムを刻みます。同時に鳴る音の平均は約1.9と、この曲集では厚い部類です。
目標は、細かい右手を保ちながら左手の伴奏を安定させることです。右手が速くなるほど左手のリズムは乱れやすく、逆に左手を意識しすぎると右手の粒が崩れます。まず左手だけを一定に刻めるようにし、そこへ右手を重ねる順が有効です。8小節なので、失敗してもすぐにやり直せるのが利点です。
ツェルニーが作曲した160曲からなる練習曲集で、各曲がわずか8小節にまとめられているのが特徴。短時間で特定の技術に集中して取り組めるため、初心者が基礎テクニックを効率よく身につけるのに適している。
「8小節の練習曲 Op.821」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
カール・ツェルニー (1791-1857)
ウィーンに生まれ、ベートーヴェンに師事し、後にリストを教えたことでも知られるピアニスト・作曲家です。生涯に800を超える作品番号を持つ膨大な数のピアノ練習曲を残したことで有名で、その体系的な教育的作品群は今日も世界中のピアノ学習で広く用いられています。本サービスでは、「160の8小節練習曲」Op.821と「全調による段階的な50の練習曲」Op.840からの抜粋を収録しています。
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