説明
幕が上がる前のこの短い曲で、主人公ヴィオレッタの病と愛という、作品全体を貫く二つの要素が先に示されます。ヴェルディの歌劇「椿姫」第1幕の前奏曲で、この歌劇は1853年にヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演されました。第3幕の前奏曲も同じ冒頭の音楽で始まります。
冒頭は、オーケストラでは分割された弦が高音で静かに奏でる、ロ短調の弱々しい和音の連なりです。続いてホ長調に移り、第2幕でヴィオレッタが歌う「愛してね、アルフレード」の旋律が現れ、やがて軽やかな装飾の音型がそれに寄り添います。約3分、950音で、音域はB♭1からA6までの60鍵分ですが、C2〜C7の61鍵ではオクターブをずらしても収まらず、76鍵以上が必要です。
難易度は中級ですが、課題は音の多さより音量の設計にあります。冒頭のごく弱い和音を濁らせずに並べ、旋律が出てきたら伴奏の刻みと装飾の音型の下に埋もれさせないことが大切です。手の色分けで旋律と伴奏の分担を確かめ、再生速度を落として冒頭の響きを耳で確かめてから弾くとよいでしょう。
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作曲家について
ジュゼッペ・ヴェルディ (1813-1901)
ジュゼッペ・ヴェルディは1813年から1901年に活躍したイタリアを代表するオペラ作曲家です。「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」「リゴレット」「アイーダ」など数多くの傑作で19世紀オペラの頂点を築き、劇的な表現力と歌唱旋律の美しさで知られています。本サイトには「椿姫」からの旋律に基づく19曲のピアノ編曲を収録しています。
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