説明
1725年からバッハ家で使われた『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳』に収められたメヌエットで、クラシック音楽の中でも特に広く知られた一曲です。長くバッハの作とされてきましたが、現在ではドレスデンのオルガニスト、クリスティアン・ペツォールトの作とする見方が一般的です。同じ音楽帳で続くト短調のメヌエット(BWV Anh.115)と対をなしています。
ト長調、4分の3拍子。前半と後半をそれぞれ繰り返す二部形式で、右手の明るい旋律を左手の簡素な線が支えます。旋律は順次進行と跳躍がほどよく混ざり、覚えやすい形をしています。音域はG2からB5まで、約42秒で204音です。この旋律は1965年のポップス「ラヴァーズ・コンチェルト」にも転用されました。
ピアノ教本の入門曲としてもよく使われる曲ですが、本サイトでは中級に分類しています。左手が独立した旋律として動くため、両手をそろえるところに最初の壁があります。再生速度を落として手の色分けで左手の動きを確かめ、片手ずつ聴いてから両手に進むと、落ち着いて仕上げられます。軽く弾む3拍子を保つことを意識してください。
バロック時代に流行した3拍子の優雅な舞曲「メヌエット」を収録。宮廷舞踏会を思わせる気品ある旋律が魅力
「メヌエット」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」に収められた、世界中の学習者が最初期に弾くメヌエットです(現在はペツォールトの作とされています)。3拍子の舞曲の感覚と、左手が伴奏ではなくもう一つの旋律として動く書法に出会います。
練習のポイント
- 3拍子は1拍目に重さを置き、2・3拍目を軽く。踊りの一歩を思い浮かべると自然になります。
- 左手も旋律として、一音ずつつなげて弾きましょう。片手ずつ練習する価値が特に大きい曲です。
- 楽譜表示に切り替えると、右手と左手がそれぞれ独立した線として書かれていることがよくわかります。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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