説明
作者の名が伝わっていない、イ短調の小さなメヌエットです。1725年の「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」に書き写されたことで残りました。この帳面ではバッハ自身の作品と、家族が気に入って写した他の作曲家の小品とが区別なく並んでいます。1720年代の家庭で舞曲がどう弾かれていたかを伝える一曲です。
イ短調の3拍子。右手の旋律と左手の動きが呼びかけ合うように進み、和声は単純なまま、短調特有の陰りだけで表情をつくります。前半・後半ともに繰り返しを持つ二部形式で、後半は平行長調のハ長調に開けてから主調へ戻る、舞曲の定型どおりの道筋をたどります。
音数は170ほど、音域も4オクターブに収まり、初めての短調のレパートリーとして扱いやすい規模です。難所らしい難所はありませんが、3拍子の1拍目に自然な重みを置くこと、2小節や4小節のまとまりでフレーズを終わらせずに先へ運ぶことを意識すると、練習曲ではなく舞曲として聞こえてきます。
バロック時代に流行した3拍子の優雅な舞曲「メヌエット」を収録。宮廷舞踏会を思わせる気品ある旋律が魅力
「メヌエット」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のイ短調のメヌエット(作曲者は確定していません)。3拍子で、右手の旋律と左手が交互に受け答えをします。前半と後半をそれぞれくり返す二部形式です。
練習のポイント
- 左右の手の色を見ながら、一方の手が休んでいる間にもう一方の手が答えている場所を探しましょう。答える側の手が主役です。
- 1拍目に自然な重さを置きます。フレーズの区切りで止まらず、先へつなげて弾くと舞曲らしくなります。
- 後半は平行調のハ長調の響きへ向かってから、イ短調に戻ってきます。楽譜表示で、響きが変わるところを追ってみてください。
この曲で試せる練習ガイド
MIDIキーボードをつないで演奏モードで練習する
電子ピアノやMIDIキーボードをブラウザにつなぐ方法と、正しい鍵盤を押すまで曲が待ってくれる演奏モードの仕組み、できること・できないことを説明します。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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