説明
1809年に書かれた、自作の主題による6つの変奏曲です。この主題は2年後、劇音楽「アテネの廃墟」の中で「トルコ行進曲」として再び用いられ、そちらの形で広く知られるようになりました。ベートーヴェンが自分の主題を別の作品で使い回した例のひとつです。
ニ長調。行進曲風の簡素な主題に、6つの変奏が続きます。主題は装飾を持たず、和声も単純ですが、変奏が進むにつれて音型が細かくなり、途中では短調に転じて性格が一変します。最後の変奏では主題が堂々と戻り、全体が締めくくられます。5分ほどの中に3100の音があります。
中級とされるのは、個々の変奏が短く、技術的な要求が分散しているためです。課題は、変奏ごとに性格を描き分けることにあります。同じ主題を6回聴かせるのだから、毎回同じ音色では飽きられます。音の密度が上がっても音量を上げすぎないこと、短調の変奏で音色を落とすこと。変奏曲の扱い方を学ぶのに適した一曲です。
主題と変奏形式で書かれた作品群。一つのテーマが様々な形に変化していく様子を楽しめる
「変奏曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)
ドイツ・ボンに生まれ、ウィーンで活躍した作曲家で、古典派からロマン派への橋渡しをした音楽史上最大級の存在です。晩年に聴力を失いながらも創作を続け、交響曲やピアノソナタで革新的な形式と激しい感情表現を追求しました。ピアノ曲では「エリーゼのために」や32曲のピアノソナタが広く親しまれています。本サービスでは、「エリーゼのために」やOp.49の2つのソナタ、初期のピアノソナタの各楽章、変奏曲などを収録しています。
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