「エリーゼのために」は、冒頭を知っていても一曲を通して弾くには大きな段差がある曲です。ここでは全曲の完成を目標にせず、最初の旋律が一区切りするまでを練習します。下の曲リンクでプレーヤーを開き、手元のピアノと行き来しながら試してください。15分は時間配分の例で、習得時間の約束ではありません。
最初の2分:弾かずに、旋律の区切りを探す
まず冒頭を一度聴きます。右手のミとレ♯の往復に続いて、音が下へ降り、左手が加わるところを探してください。画面上の鍵盤で、ミのすぐ左にある黒鍵がレ♯です。色はトラックを表しており、必ずしも右手・左手そのものではありません。高い音と低い音の動きを見て、どの色がどの声部かを確認します。
設定でループ範囲を、冒頭から旋律がいったん落ち着くところまでに絞ります。終わりは音の途中を切らず、次のフレーズが始まる手前に置きます。収録データによってテンポが異なるため、「何秒まで」と固定せず、耳で区切りを決めるのが確実です。
次の4分:右手だけで、最初の音型をつなぐ
再生速度を0.5倍程度に落とし、ミとレ♯の往復を右手だけで弾きます。ここで指番号を画面の色から決めることはできません。手元の楽譜に運指がある場合はそれを参考に、同じ音型を戻ってきたときも同じ指で弾けるか確かめます。手に合わなければ、速くする前に運指を見直してください。
往復だけを何度も続けず、その後の下降する音までつなぎます。ミとレ♯が強く飛び出したり、下降に入る瞬間に止まったりするなら、ループをさらに短くします。画面を見なくても次の鍵盤の位置が分かるかを、ときどき再生を止めて確かめましょう。
次の4分:左手の着地点を先に覚える
左手が入る箇所から聴き、低い音から上へ広がる伴奏を追います。最初は左手だけで、次の低音へ移る前に手の位置を確認してください。低音を探すたびに拍が止まるなら、音数を増やすより、低音から次の低音へ移る動きだけを練習します。
アプリは両手分の音を鳴らすので、自分の左手が弾けていなくても曲が続きます。数回合わせたら一時停止し、アプリの音なしでも同じ動きができるか確認します。ペダルで音をつなぐ前に、どの音で手を移すかを決めておくと、間違いを響きで隠さずに練習できます。
最後の5分:両手の受け渡しを、小さく合わせる
左手が入る直前の右手から、左手の伴奏が始まった直後までをループします。片手ずつ弾けても、両手にすると止まる箇所がここで分かります。止まった場合は速度をさらに落とすか、前後の音を減らし、受け渡しだけを繰り返してください。
同じ箇所を3回ほど、探し直さずに弾けたら、冒頭から一区切りまでつなぎます。3回はこの練習での確認目安です。まだ音を探すなら今日は速度を上げず、練習ノートに「右手はつながる/左手の最初の低音で止まる」のように、次に始める場所を残して終わります。
冒頭が弾けたあとに気をつけること
全曲の難易度は、冒頭の弾きやすさだけでは判断できません。先を一度聴き、和音や細かい動きが増える部分を確認してから、次の練習範囲を決めてください。プレーヤーのMIDIは音の位置や長さを確かめる手がかりであり、音色やフレーズの完成形を示す模範演奏ではありません。
両手の受け渡しが難しいと感じたら、ブルグミュラー「素直な心」で旋律と伴奏を分ける練習を挟む方法もあります。下の関連曲から聴き比べ、今の自分が落ち着いて練習できる方を選んでください。