説明
シューマンの全作品を通じてもっとも知られた旋律となった「トロイメライ(夢)」は、「子どもの情景」作品15の第7曲です。13曲の中の1曲として書かれながら、単独で演奏されることが圧倒的に多く、ヴァイオリンやチェロへの編曲でも広く親しまれています。
構成は単純で、ヘ長調の4拍子の中、8小節の主題が調と和声を変えながら4度現れます。旋律の頂点に置かれた一つの音へ向かって全体が緩やかに上昇し、そこから静かに下りてくる——その一度きりの頂点が、この曲の設計のすべてです。音数は340ほどしかありません。
中級の評価は、技術ではなく表現の難しさによるもので、指の難所はほとんどありません。テンポをどこで揺らすか、頂点の音をどう置くか、内声をどこまで聴かせるか。答えは一つではなく、名演と呼ばれるものほど互いに違います。まず揺らさずに弾き、そのうえでどこに時間をかけたいかを決めていくのが確実な順序です。
シューマンが1838年に作曲した13曲からなる組曲。「トロイメライ」を含む、大人が子供時代を回想するような詩的な作品集
「子どもの情景 Op.15」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
このコースのゴール、「トロイメライ」。ヘ長調、4/4拍子で、冒頭の短い主題が調と和音を変えながら何度も戻ってきます。技術的な難しさはほとんどなく、テンポの揺らし方と内声の聴かせ方を自分で決めることが課題です。
練習のポイント
- まずはテンポを揺らさず、一定の速さで最後まで弾けるようにします。そのあとで、どこで時間を使いたいかを決めましょう。
- 主題が戻ってくるたびに、旋律がいちばん高い音に届く場所を流れる音符で確かめ、その一音の置き方を考えます。
- この曲は楽譜表示に対応していません。手持ちの楽譜と流れる音符を見比べながら練習してください。
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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