説明
13曲の中でもっとも短く、20秒あまりで駆け抜ける「鬼ごっこ」は、「子どもの情景」作品15の第3曲です。曲集がしばしば1曲ずつ取り出して演奏されるのは、こうした極端に短い曲と、2分近い曲とが並んでいるからでもあります。
休符をほとんど持たない細かい音型が、ロ短調の2拍子の中で両手のあいだを絶えず行き来します。追う者と追われる者が入れ替わるように音型が手を替え、その受け渡しの速さがそのまま遊びの速さになっています。短調で書かれていますが、暗さではなく落ち着きのなさを表す短調です。
速い受け渡しを正確に行う必要があるため、中級とされます。手が替わる瞬間に間が空くと、追いかけっこが止まって見えます。次の手の位置を早めに準備し、指を鍵盤の近くに保つこと。音量は終始抑えめに保ち、軽さを失わないようにすると、遊びの空気が出てきます。
シューマンが1838年に作曲した13曲からなる組曲。「トロイメライ」を含む、大人が子供時代を回想するような詩的な作品集
「子どもの情景 Op.15」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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