説明
話がどこへ向かうのか分からないまま、次々と場面が変わっていく「珍しいお話」は、「子どもの情景」作品15の第2曲です。1838年の曲集は子どものための音楽ではなく、大人が子ども時代を振り返った13の情景として書かれました。語り聞かせる声に耳を傾ける子どもの側ではなく、その場面を思い出している側から描かれているのが、この曲集の一貫した視点です。
付点リズムの勢いのよい主題で始まるニ長調の3拍子の曲ですが、途中で調と性格が何度か入れ替わります。短い曲の中に脈絡のない転換が意図的に置かれており、1分余りの中に620ほどの音があります。
場面ごとに性格を切り替えなければならない点が、中級の評価につながっています。付点リズムを甘くすると勢いが消え、逆に硬く刻みすぎると語りの調子が失われます。転換のたびに音色を変え、話し手が声色を変えるように弾くこと。テンポは動かしすぎず、変化は音量と音色で作るほうがこの曲には合います。
シューマンが1838年に作曲した13曲からなる組曲。「トロイメライ」を含む、大人が子供時代を回想するような詩的な作品集
「子どもの情景 Op.15」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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