説明
何かを欲しがる子どもの様子を、短い問いかけのようなフレーズの繰り返しで描いた「おねだり」は、「子どもの情景」作品15の第4曲です。曲集全体が大人の回想として書かれているため、ここにあるのも、子ども本人の訴えというより、それを思い出している人の視点です。
35秒ほどのニ長調の2拍子で、同じ音型が調を変えながら何度も現れます。最大の特徴は終わり方で、この曲は主和音に解決せず、属七の和音のまま宙づりで終わります。問いかけたまま答えを待つ形が、そのまま次の曲へ続いていきます。
初級者でも譜が読めるほど、技術的な負担は軽い曲です。難しいのは、最後の解決しない和音をどう置くかです。強く終えれば疑問が消え、弱すぎれば曖昧になります。そこまでのフレーズを少しずつ高めていき、最後の和音を宙に浮かせたまま手を離すこと。短い曲ですが、終わり方だけで印象が決まります。
シューマンが1838年に作曲した13曲からなる組曲。「トロイメライ」を含む、大人が子供時代を回想するような詩的な作品集
「子どもの情景 Op.15」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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