説明
子どもにとっての一大事を、大人が振り返って微笑む——「子どもの情景」作品15の第6曲「重大な出来事」には、曲集全体の視点がもっとも分かりやすい形で現れています。重々しい和音の行進は本気であり、同時に少しだけ大げさです。
厚い和音が付点リズムに乗って、3拍子で堂々と進みます。旋律らしい旋律はなく、和音の連なりそのものが身振りを作っています。40秒足らずの短い曲ですが、音の厚みのぶん、曲集の中では音量の大きい部類に入ります。
和音を重く鳴らしながら硬くしない技術が要り、それが中級の評価の理由です。指で叩くと音が割れ、大げさではなく乱暴になります。腕の重みを落として鳴らし、和音の最上声だけをわずかに前に出すこと。付点リズムを正確に保つことも、この曲の堂々とした足取りを支える条件です。
シューマンが1838年に作曲した13曲からなる組曲。「トロイメライ」を含む、大人が子供時代を回想するような詩的な作品集
「子どもの情景 Op.15」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ロベルト・シューマン (1810-1856)
ドイツ・ツヴィッカウ出身のロマン派を代表する作曲家です。文学的な感性を音楽に投影した詩的な作風が特徴で、妻クララ・シューマンも著名なピアニスト・作曲家でした。子供や家庭のための教育的なピアノ曲集「子供のためのアルバム」は、平明ながら詩情豊かな小品として親しまれています。本サービスでは、同曲集や「子どもの情景」Op.15の小品などを収録しています。
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