説明
ツェルニーのOp.840は、1855年頃にマインツのショット社から出版された版に「すべての長調と短調による段階的な練習曲」という副題が添えられた、全50曲の練習曲集です。「50の旋律的練習曲」の題でも知られ、技術だけでなく旋律を歌わせることを重視しており、第1番はその出発点です。
楽譜はハ長調で始まり、全32小節の後半16小節で調号がフラット3つに変わってハ短調になり、そのままハ短調で終わります。同じ主音の長調と短調を1曲の中で行き来する組み立てです。4/4拍子で、右手は短い装飾を伴う旋律を高い音域で歌い、左手は4分音符の和音で伴奏します。演奏時間は約56秒、音数は450です。
初級向けで、技術的な要求は控えめです。聴きどころは、長調の前半と短調の後半で同じ主音の響きがどう変わるかにあります。楽譜表示で調号が変わる場所を確かめ、A-Bループで前半と後半を弾き比べてみてください。右手の装飾は再生速度を落として音の数を確かめると正確に弾けます。音域はG2からE7まで高く上がるため、61鍵の電子ピアノでは最高音域が足りません。
ツェルニーが全24調を網羅して作曲したメロディアスな練習曲集。技術と音楽性を同時に磨ける教材として親しまれている
「全調による段階的な50の練習曲 Op.840」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
カール・ツェルニー (1791-1857)
ウィーンに生まれ、ベートーヴェンに師事し、後にリストを教えたことでも知られるピアニスト・作曲家です。生涯に800を超える作品番号を持つ膨大な数のピアノ練習曲を残したことで有名で、その体系的な教育的作品群は今日も世界中のピアノ学習で広く用いられています。本サービスでは、「160の8小節練習曲」Op.821と「全調による段階的な50の練習曲」Op.840からの抜粋を収録しています。
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