説明
2分足らずに1500を超える音が置かれた、曲集の中でもっとも音数の多い一曲です。「24の前奏曲」作品28の第8番にあたり、ショパンがマヨルカ島で曲集を仕上げた1838年から39年の冬、彼の体調は最悪で、この曲の切迫した書法をその状況に重ねる読み方も古くからあります。
嬰ヘ短調の4拍子。右手は32分音符の細かい音型を絶え間なく回し続け、その内側に、より長い音価の旋律が埋め込まれています。左手も休みなく動くため、3つの層——旋律・装飾・低音——が5オクターブ近い音域で同時に進行し、終始緊張が緩みません。
右手の中で旋律と装飾を弾き分けなければならないことが、上級とされる理由です。すべてを同じ強さで弾くと、音の霧しか聞こえません。旋律にあたる音だけを指の重みで浮かせ、残りは軽く流すこと。速度を上げる前に、旋律だけを抜き出して歌えるようにしておくのが確実な順序です。
ショパンが1838-39年に作曲した24の小品集。全24調を網羅し、各曲が独自の性格を持つピアノの詩集
「24の前奏曲 Op.28」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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