説明
終結部で低い変イ音が11回、鐘のように打たれ続ける、歌にあふれた一曲です。「24の前奏曲」作品28の第17番で、2分半を超える長さと2500近い音数は、単独の性格的小品として十分な規模を持っています。メンデルスゾーンがこの曲を愛し、「無言歌」の理想がここにあると語ったという逸話が伝わっています。
8分の6拍子で歌うような主題が繰り返し戻り、そのあいだを転調する挿入部が埋めていきます。変イ長調の響きに落ち着く終結部では、鐘のような低音の上で音楽が静かに解けていきます。
難しいのは長さの扱いです。速い動きが限られるため中級とされますが、主題が何度も戻るため、毎回同じ弾き方では持ちません。回帰のたびに音色を変えること。終結部の低音の連打は、拍ごとに強さを変えず、しかし機械的にもならない微妙な加減が要ります。ペダルは濁らない範囲で深めに取ると、鐘の残響が生きます。
ショパンが1838-39年に作曲した24の小品集。全24調を網羅し、各曲が独自の性格を持つピアノの詩集
「24の前奏曲 Op.28」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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