説明
「24の前奏曲」作品28の中でもっとも有名な第15番です。曲集はショパンがマヨルカ島で過ごした1838年から39年の冬に完成しました。同行したジョルジュ・サンドは、雨の日に彼が修道院で書いていた場面を書き残しており、繰り返される同音から「雨だれ」の通称が生まれました。ただしショパン自身はこの呼び名を認めていません。
変ニ長調の4拍子。同じ音が全曲を通して一定に打たれ続け、その上で穏やかな主題が歌われます。中間部では嬰ハ短調——同じ音を短調として読み替えた調に転じ、反復音は低音域に移って重く鳴り、音楽は次第に嵐のような高まりへ向かいます。やがて冒頭の穏やかな主題が戻り、静かに閉じられます。4分半ほどの作品です。
中級とされますが、課題は反復音の扱いにあります。同じ音を数百回打ち続けるため、機械的になれば退屈になり、強くなれば旋律を覆います。反復音は和声の変化に合わせてわずかに音量を変え、常に旋律の下に置くこと。中間部の重い響きと前後の静けさの対比が、この曲の劇を決めます。
ショパンが1838-39年に作曲した24の小品集。全24調を網羅し、各曲が独自の性格を持つピアノの詩集
「24の前奏曲 Op.28」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
前奏曲 Op.28-15 変ニ長調「雨だれ」。同じ音のくり返しが曲全体を通して鳴り続け、その上で穏やかな主題が歌われます。中間部は嬰ハ短調に変わり、くり返す音が低音に移って重く高まっていきます。
練習のポイント
- くり返す音は、旋律より常に小さく。和音に合わせてわずかに重さを変えると、機械的になりません。
- 中間部は別の曲だと思って、A-Bループで区切って練習します。高まりと前後の静けさの対比が、この曲のドラマです。
- ペダル表示で踏み替えの位置を確かめましょう。和音が変わるところで踏み替えると、くり返す音が濁らずに続きます。
- 4分半ほどの長い曲です。練習ノートに練習時間を残すと、進み具合が見えて続けやすくなります。
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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