説明
休符らしい休符がほとんどないまま、最後まで駆け抜ける音楽です。「24の前奏曲」作品28の第12番で、曲集の前半を締めくくる位置に、ここまでで最も激しい一曲が置かれています。
右手が同じ音型を執拗に刻み続け、その内側で旋律が短く息をつきます。嬰ト短調の3拍子の中、左手も絶えず動き、両手が同じ密度で走り続けるため、聴き手には止まる場所が与えられません。1250の音が70秒に詰め込まれ、1秒あたり18音に達します。
必要なのは、この密度を保ったまま最後まで走り切る体力で、上級の評価もそこから来ています。手首を固めると1分ともたないため、脱力の確認が最優先です。音量を上げて激しさを出そうとせず、速度と切迫感で押すこと。終盤で音楽が一段と追い込まれる場面のために、前半の音量を抑えておく配分も要ります。
ショパンが1838-39年に作曲した24の小品集。全24調を網羅し、各曲が独自の性格を持つピアノの詩集
「24の前奏曲 Op.28」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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