説明
旋律を左手の低音域に置き、チェロの独奏のような深い響きで歌わせる、曲集の中でもっとも内省的な一曲です。「24の前奏曲」作品28の第6番で、1849年のショパンの葬儀では第4番とともにオルガンで演奏されたと伝えられています。24曲を通して聴くときには、前後の明るい曲に挟まれた沈黙のような位置を占めます。
ロ短調の3拍子。旋律が下、和音が上という通常とは逆の配置で、右手は上で和音を静かに刻むだけです。1分半ほどの中に400ほどの音しかなく、動きは終始ゆるやかです。
左手の旋律を歌わせることが、この曲のすべてです。多くの奏者は右手で歌うことに慣れており、左手に旋律を置かれると途端に平板になります。右手の和音を極力抑え、左手だけが聞こえる音量配分にすること。低音は減衰が遅いぶん、音の長さをどこまで保つかで表情が変わります。
ショパンが1838-39年に作曲した24の小品集。全24調を網羅し、各曲が独自の性格を持つピアノの詩集
「24の前奏曲 Op.28」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
前奏曲 Op.28-6 ロ短調。旋律が左手の低い音域にあり、右手は上で和音を刻むだけという、ふつうとは逆の配置です。チェロのように左手で歌うことを学びます。
練習のポイント
- 左手の色だけを追い、旋律を左手一本で歌えるまで練習します。
- 右手の和音は、左手の旋律がはっきり聴こえるところまで思い切って抑えます。
- 低い音は長く響きます。流れる音符の長さで保つ音を確かめ、途中で切らないようにしましょう。
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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