説明
練習曲集作品10の巻頭を飾る一曲で、1830年代初頭の作です。ショパンの練習曲は、それまでの練習曲が指の訓練だけを目的としていたのに対し、技術的課題と音楽作品としての完成を同時に成立させた点で決定的に新しいものでした。この第1曲は、その宣言のような位置にあります。
ハ長調の4拍子。右手が広く開いた分散和音を鍵盤の端から端まで駆け上がり、駆け下り続けます。左手はその下で、オクターブの低音によって和声の骨格を置くだけです。音域は7オクターブに達し、右手はほぼ常に手を広げた状態を保ちます。
課題は明確で、右手の拡張と移動です。手を広げたまま速く動かすため、力を入れると数小節で持たなくなります。親指と小指の距離を保ちながら、腕全体で位置を運ぶこと。速さより、すべての音が同じ音量で鳴っているかを耳で確かめることが優先されます。和声の変化を聴きながら弾くと、練習曲が音楽として立ち上がります。
様々な作曲家による練習曲を集めたカテゴリ。ショパンの「革命」など、指の独立性や表現力を鍛える作品が並ぶ
「練習曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フレデリック・ショパン (1810-1849)
ポーランドに生まれ、パリを拠点に活躍した作曲家で、ほぼピアノ曲のみを作曲したことで知られる稀有な存在です。祖国への望郷の念をマズルカやポロネーズに込める一方、バラードや練習曲では詩的な旋律と革新的な和声を融合させました。本サービスでは、「革命」をはじめとする練習曲、バラード第1番・第4番、ノクターン、前奏曲集 Op.28などを収録しています。
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