説明
16分音符の流れが両手の間で受け渡される、明るいヘ長調の前奏曲 BWV 928 です。バッハが1720年に長男のために書き始めた『ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』に収められ、のちに「小前奏曲」の一曲として親しまれるようになりました。インヴェンションへ進む前の教材として、今日も広く弾かれています。
ヘ長調の4分の4拍子で、明るい長調の響きの中で和声が移り変わっていきます。86秒で656音、1秒あたり約7.6音と、小前奏曲の中では動きの多い曲です。音域はE2からC6までで、61鍵の鍵盤に収まります。
中級レベル。課題は、両手を行き来する16分音符を途切れさせず、粒をそろえて弾くことです。手の色分けで音型がどこで反対の手に移るかを確かめ、A-Bループで区切った箇所を再生速度を落として練習してください。テンポを上げるのは、受け渡しの箇所で拍がずれなくなってからにするとよいでしょう。
特定の曲集に属さない前奏曲を集めたカテゴリ。バッハから近現代まで、様々な作曲家による短く印象的な作品が並ぶ
「前奏曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
同じく小前奏曲から、ヘ長調、4/4拍子の曲(BWV 928)。16分音符の流れが右手と左手の間で受け渡されます。インヴェンションに入る前に、途切れない動きを両手でつなぐ練習です。
練習のポイント
- 流れる音符の色が変わるところが、音型が反対の手に移る場所です。そこだけをA-Bループで切り出して練習しましょう。
- 受け渡しで拍がずれなくなるまでは0.5倍速のままで。速さは最後に上げます。
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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