説明
ピアノソナタ第14番 K.457 は1784年にウィーンで書かれ、弟子のテレーゼ・フォン・トラットナー夫人に献呈されました。1785年、モーツァルトは前年に完成させた幻想曲ハ短調 K.475 と組にしてこの一曲だけを出版しており、その組み合わせは今日でも守られています。
第2楽章は変ホ長調の4拍子のアダージョ。主題が二度戻ってくるロンド風の構成で、戻るたびに装飾が細かくなります。1990年にフィラデルフィアで発見された自筆譜には、出版譜よりはるかに込み入った装飾が書き込まれており、モーツァルト自身が同じ旋律をどう飾り直したかを直接見ることができます。
中級レベル。第1楽章の劇性から一転して、必要なのは技術より時間の感覚です。アダージョのテンポでは、装飾音を音符どおりに並べるだけでは旋律が止まって聴こえます。装飾を旋律の呼吸に乗せること、そして休符と間を音楽として保つことが、この楽章の核心です。
ベートーヴェンの初期作品をはじめ、古典派・ロマン派を代表するピアノソナタを収録。複数楽章にわたる本格的な作品が並ぶ
「ピアノソナタ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756-1791)
オーストリア・ザルツブルクに生まれ、幼少期から神童として名を馳せた古典派を代表する作曲家です。ウィーンを拠点に活躍し、35年という短い生涯の中で交響曲・オペラ・室内楽・鍵盤曲など幅広いジャンルに傑作を残しました。明快で均整の取れた様式の中に豊かな感情表現を宿す作風が特徴です。本サービスでは、ピアノソナタ K.545やK.331の各楽章、幻想曲 ニ短調 K.397、フーガなどを収録しています。
モーツァルトの作品一覧を見る →