説明
バッハやヘンデルの作品研究に没頭していた時期のモーツァルトによるフーガです。同じト短調で書かれたK.154と比べると規模が大きく、ウィーン時代のモーツァルトが対位法と本格的に向き合っていた様子がうかがえます。
ト短調、4分の4拍子。厳格な対位法の中に、後年の作品に通じる深い表現力がすでに見て取れます。テーマが声部の間で受け渡されながら、短調の厳しい響きが曲全体を貫いています。
約3分45秒とこのジャンルの中では長めで、声部間の受け渡しを明確に描く技術が要求される上級者向けの作品です。長い演奏時間の中で緊張感を持続させる構成力も、この作品を弾きこなす上での鍵となります。音数は1506音、音域はC2からG5までと中音域に集まっており、61鍵に収まります。声部が混み合う箇所では、楽譜表示でテーマの位置を確かめ、A-Bループで区間を繰り返しながら声部を聴き分ける練習が効果的です。
バッハに影響を受けて作曲された対位法作品を収録。厳格な形式の中に各作曲家の個性が光る
「フーガ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756-1791)
オーストリア・ザルツブルクに生まれ、幼少期から神童として名を馳せた古典派を代表する作曲家です。ウィーンを拠点に活躍し、35年という短い生涯の中で交響曲・オペラ・室内楽・鍵盤曲など幅広いジャンルに傑作を残しました。明快で均整の取れた様式の中に豊かな感情表現を宿す作風が特徴です。本サービスでは、ピアノソナタ K.545やK.331の各楽章、幻想曲 ニ短調 K.397、フーガなどを収録しています。
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