説明
モーツァルトがバロック対位法を学んでいた時期に書かれたフーガです。1782年頃、モーツァルトはウィーンでヴァン・スヴィーテン男爵のもとに通い、バッハやヘンデルの作品に親しみながら、自らもフーガの筆を執りました。この曲はそうした学習の跡を伝える一曲です。
ト短調、4分の4拍子。落ち着いた響きの中に、テーマが声部を追いかけ合う緊密な構成が展開されます。一つの声部で示されたテーマが別の声部に次々と受け渡され、重なり合いながら曲全体が組み上がっていくのがフーガの基本的な仕組みです。
中級レベルで、約2分・614音の作品ながら、各声部の独立した動きを聴かせる集中力が求められ、対位法の勉強にも役立ちます。テーマの入りをはっきりと際立たせることで、フーガらしい緊密な構造が聴き手にも伝わります。音域はF♯2からG5までの約3オクターブと狭く、61鍵にも十分収まります。楽譜表示でテーマの入りを追い、再生速度を落として各声部を聴き分けてみてください。
バッハに影響を受けて作曲された対位法作品を収録。厳格な形式の中に各作曲家の個性が光る
「フーガ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756-1791)
オーストリア・ザルツブルクに生まれ、幼少期から神童として名を馳せた古典派を代表する作曲家です。ウィーンを拠点に活躍し、35年という短い生涯の中で交響曲・オペラ・室内楽・鍵盤曲など幅広いジャンルに傑作を残しました。明快で均整の取れた様式の中に豊かな感情表現を宿す作風が特徴です。本サービスでは、ピアノソナタ K.545やK.331の各楽章、幻想曲 ニ短調 K.397、フーガなどを収録しています。
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