説明
メンデルスゾーンの「無言歌集」は、歌詞を持たない歌として書かれたピアノ小品を集めた曲集で、全8巻48曲が生涯にわたって書き継がれました。その中に「ヴェネツィアの舟歌」と題された曲が3つあり、これは作品30に置かれた2番目のものです。作曲者自身がイタリアを旅した記憶が背景にあります。
嬰ヘ短調、8分の6拍子。左手が舟の揺れを模した規則的な伴奏を終始保ち、その上を右手の旋律が歌い続けます。3つの舟歌の中ではもっとも陰のある調で書かれ、明るい昼ではなく夜のヴェネツィアを思わせます。3分近い長さに対して音は580ほどです。
課題は、一定に揺れる左手の上で、右手を自由に歌わせることです。左手が乱れれば船が揺らぎ、右手が左手に縛られれば歌が死にます。左手は無意識に刻めるまで単独で練習し、右手の旋律にはわずかな時間の伸び縮みを許すこと。ペダルは伴奏の和声に合わせて踏み替え、濁りを残さないようにします。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
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作曲家について
フェリックス・メンデルスゾーン (1809-1847)
フェリックス・メンデルスゾーンは1809年から1847年を生きたドイツ・ロマン派を代表する作曲家です。幼少期から神童として知られ、忘れられていたバッハの音楽の復興にも貢献しました。ピアノのための「無言歌集」は歌うような旋律を持つ性格的小品として広く親しまれており、本サイトには同集から7曲を収録しています。
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