説明
メンデルスゾーンの「無言歌集」第1巻 作品19の最後に置かれた曲で、「ヴェネツィアの舟歌」と題された3曲のうち、最初に書かれたものです。無言歌とは、歌詞を持たないまま歌のように書かれたピアノ曲のことで、この形式自体がメンデルスゾーンの発明にあたります。
ト短調、8分の6拍子。左手が船の揺れを模した伴奏を終始保ち、その上を右手の旋律が静かに歌います。曲は遠くから近づき、また遠ざかるように始まり、終わります。2分あまりの短い曲で、音数は600ほど。音域も5オクターブに収まり、動きは終始穏やかです。
中級とされますが、課題は明確です。一定に揺れ続ける左手の上で、右手にだけ自由な息づかいを与えること。左手が乱れれば船が沈み、右手が左手に縛られれば歌が死にます。左手を単独で無意識に刻めるまで練習するのが先決です。ペダルは伴奏の和声に合わせて踏み替え、濁りを残さないようにします。
特定の曲集に属さない単独のピアノ小品を集めたカテゴリ。多彩な性格を持つ作品が391曲並び、気軽に聴き比べられる
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作曲家について
フェリックス・メンデルスゾーン (1809-1847)
フェリックス・メンデルスゾーンは1809年から1847年を生きたドイツ・ロマン派を代表する作曲家です。幼少期から神童として知られ、忘れられていたバッハの音楽の復興にも貢献しました。ピアノのための「無言歌集」は歌うような旋律を持つ性格的小品として広く親しまれており、本サイトには同集から7曲を収録しています。
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