説明
フリードリヒ・クーラウはドイツに生まれ、1810年にナポレオン軍の徴兵を逃れてコペンハーゲンに移り、デンマークで活躍した作曲家です。フルート曲の作者として名高い一方、ピアノ学習者にとっては作品20・55・88のソナチネ集の人でもあります。作品20第1番は、その中でももっとも広く弾かれている一曲です。
ハ長調の4拍子。ソナタ形式で書かれ、明快な第1主題と歌う第2主題が並び、展開部を経て再現部へ至る流れが耳で追えるほどはっきりしています。音階と分散和音が旋律そのものに組み込まれているため、弾くこと自体が基礎練習になります。
2分半を超える長さと1000を超える音は、初級曲としては大きな規模です。音域も6オクターブに及び、両手とも位置の移動が頻繁にあります。速く弾くことより、音階の粒をそろえ、テンポを最後まで保つことが課題です。形式の区切りごとに表情を変えられると、長さが構成として聞こえてきます。
ソナタ形式を学ぶための小規模なピアノ作品集。演奏時間が短く、ソナタへの入り口として親しまれている
「ソナチネ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
この曲で身につけること
「ソナチネアルバム」の定番、クーラウのソナチネ Op.20-1の第1楽章。主題の提示・展開・再現というソナタ形式を、一つの楽章としてはっきり体験します。
練習のポイント
- まず通して聴き、冒頭の主題が後半で戻ってくる場所を見つけましょう。それが曲の地図になります。
- 楽章が長くなるので、主題ごとにループで区切って練習します。
- 練習ノートの「マイ曲」で「練習中」にしておくと、複数楽章の進み具合を整理できます。
作曲家について
フリードリヒ・クーラウ (1786-1832)
ドイツに生まれ、後半生をデンマークで過ごした作曲家で、「デンマークのベートーヴェン」とも呼ばれます。フルート曲で特に名高い一方、教育的なピアノソナチネも多く手掛け、明快な様式と親しみやすい旋律で今も学習者に愛用されています。晩年には火災で多くの自筆譜を失う不運にも見舞われました。本サービスには「ソナチネ」Op.20第1番の全3楽章を収録しています。
クーラウの作品一覧を見る →