説明
作品20第1番を締めくくるロンドです。この曲集全体の中でももっとも音数が多く、1700を超える音が2分半のあいだに並びます。クーラウのソナチネが教材として長く使われてきたのは、こうした終楽章で、学習者が「弾けるようになった」という実感を得られるからでもあります。
ハ長調の2拍子。主題が姿を変えずに何度も戻り、そのあいだに調を変えた挿入部が挟まれるロンド形式です。音階が旋律として直接現れる場面が多く、指の回転がそのまま音楽の推進力になります。音域は5オクターブに広がります。
課題は、速さと正確さの両立、そして最後まで失速しない持久力です。主題が戻るたびに同じ弾き方をすると単調になるため、音量や表情に変化をつけること。難所は挿入部の音階と分散和音に集中しているので、そこだけ取り出して遅く練習し、テンポを上げるのが確実です。
ソナタ形式を学ぶための小規模なピアノ作品集。演奏時間が短く、ソナタへの入り口として親しまれている
「ソナチネ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フリードリヒ・クーラウ (1786-1832)
ドイツに生まれ、後半生をデンマークで過ごした作曲家で、「デンマークのベートーヴェン」とも呼ばれます。フルート曲で特に名高い一方、教育的なピアノソナチネも多く手掛け、明快な様式と親しみやすい旋律で今も学習者に愛用されています。晩年には火災で多くの自筆譜を失う不運にも見舞われました。本サービスには「ソナチネ」Op.20第1番の全3楽章を収録しています。
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