説明
《半音階的幻想曲とフーガ》ニ短調BWV 903の後半、フーガの部分です。前半の幻想曲は、レチタティーヴォのような即興的な楽句と大胆な半音階の和声で知られ、バッハの鍵盤作品の中でも特に自由な音楽です。続くフーガは、その自由さを受けて、半音階を含む主題を厳格な対位法の枠組みで展開していきます。
ニ短調、4分の3拍子の3声のフーガです。主題は半音ずつ上行する動きを含む長いもので、各声部に順に受け渡されながら、調を移ろわせて展開されます。終盤は低音がオクターヴで重ねられるなど響きが厚くなり、劇的な頂点を築いて終わります。音域はB1からC6まで、約4分50秒に2580音という大規模な楽章です。
上級の曲で、3つの声部を一人で弾き分ける力と、長い時間にわたって緊張を保つ集中力が求められます。主題がどの声部に現れているかを見失わないことが第一歩で、楽譜表示で主題の入りを確かめ、手の色分けで声部の受け渡しを追うと構造がつかめます。難所はA-Bループで区切り、再生速度を落として内声まで聴き取れるようにしてから、本来の速さに近づけてください。
バッハに影響を受けて作曲された対位法作品を収録。厳格な形式の中に各作曲家の個性が光る
「フーガ」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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