説明
パウル・ゲルハルトの詩「満ち足りて静かにせよ」を、穏やかなヘ長調の2分の2拍子で歌う賛美歌の旋律で、作品番号はBWV 510です。思い悩む心に神のもとで安らぐよう語りかける歌詞を持ち、家庭での祈りの歌として歌われました。1725年のアンナ・マグダレーナの音楽帳には同じ詩による曲が3つ書き込まれており、これはその最初のものです。
ヘ長調、2分の2拍子。演奏時間は約24秒、音数は107と、3曲の中で最も短い一曲です。右手が賛美歌の旋律を歌い、左手の低音がそれを支えるシンプルな書き方で、長調の穏やかな響きの中を落ち着いた歩みで進みます。2分の2拍子なので、4分音符を細かく数えるより、1小節を大きな2拍で感じると流れが自然になります。
初級レベルで、楽譜を読み始めたばかりでも取り組める規模です。音域はC2からG5までで61鍵に収まります。課題は短い曲を急がず、旋律の一音一音を言葉のように丁寧に置くことです。再生速度を落として手の色分けで左右の線を確かめたら、同じ詩による他の2曲(BWV 511・512)と弾き比べると、長調と短調で響きがどう変わるかがよくわかります。
バッハが編曲したコラール作品集。賛美歌の旋律に精緻な対位法を施した、荘厳で祈りに満ちた音楽が並ぶ
「コラール」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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