説明
1739年に出版された「クラヴィーア練習曲集」第3部は、主にオルガンのためのコラール前奏曲を集めた曲集で、その中に鍵盤楽器のための4つのデュエットBWV 802〜805が含まれています。デュエットとは2つの声部だけで書かれた曲のことで、この第1番はその最初に置かれています。
ホ短調、8分の3拍子。演奏時間は約3分40秒、音数は989です。半音階で動く主題が2つの声部の間で交互に現れ、模倣と転回を重ねながら進む対位法的な曲です。声部は2つしかありませんが、互いの役割を入れ替えても成り立つように書かれており、短い主題から長い曲が組み立てられています。8分の3拍子の速い3拍が、曲全体に途切れない推進力を与えています。
中級レベルですが、2声だけなので両手の独立がそのまま試されます。左右の手がそれぞれ別の旋律を受け持ち、半音階の主題をどちらの手でも同じ表情で弾けることが求められます。使う音はC2からC6の範囲で、61鍵の鍵盤でも弾けます。再生速度を落として手の色分けで主題がどちらの手に移ったかを追い、A-Bループで片手ずつ練習してから両手を合わせると、2つの線を聴き分けやすくなります。
バッハの《クラヴィーア練習曲集》第3部に収められた2声の対位法的な小品集。厳格な書法の中に軽やかな対話性がある
「デュエット」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
ドイツ・バロック音楽を代表する作曲家で、音楽一家バッハ家に生まれ、ライプツィヒの聖トーマス教会カントルを長く務めました。対位法の頂点を極めた作曲技法で知られ、「平均律クラヴィーア曲集」や「インヴェンション」など鍵盤音楽の基礎を築きました。本サービスでは、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」のメヌエットやポロネーズ、インヴェンションとシンフォニア、平均律クラヴィーア曲集のフーガなどを収録しています。音楽帳の小品は BWV Anh.(付録)の番号で目録に入っていますが、ペツォールトのメヌエットのように他の作曲家の作品や作者不詳の曲も多く、多くの曲のページで作者についての現在の見方を記しています。
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