説明
1827年に作曲された4つの即興曲Op.90(D.899)の第3番、変ト長調です。4曲のうち第1番と第2番はシューベルトの生前に出版されましたが、第3番と第4番の出版は没後の1857年まで待たねばならず、その際この曲はト長調に移され、拍子も書き換えられて出版されました。今日では原典どおりの変ト長調で弾かれます。
変ト長調の2分の4拍子。流れるような分散和音の伴奏の上に、抑揚豊かな旋律が浮かび上がる構成で、旋律と伴奏の一部を右手が同時に受け持ちます。約6分で2730音ほど。中間部では短調の陰りが差しますが、全体はシューベルトらしい歌謡性に満ちています。
上級レベルで、音域は61鍵の鍵盤では低音が足りませんが、オクターブをずらせば収まり、76鍵ならそのまま弾けます。絶え間なく続く分散和音を静かに保ちながら、同じ手の中で旋律だけを歌わせる高度なコントロールが求められ、滑らかなペダリングと均一な音量バランスも聴きどころです。手の色分けで旋律と伴奏の重なりを確かめ、再生速度を落としてペダル表示を見ながら和声の切り替わりをつかむと練習が進みます。
「即興曲」と題された、自由な形式で書かれたロマン派ピアノ小品を集めたカテゴリーで、シューベルトやショパンの作品を含む。詩的な旋律と即興的な雰囲気を持ち、性格的小品の魅力を味わいたい聴き手や中級者に向く。
「即興曲」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
フランツ・シューベルト (1797-1828)
ウィーンに生まれた作曲家で、わずか31歳で世を去りながら、歌曲(リート)を中心に膨大な作品を残しました。旋律の美しさと転調の妙で知られ、「魔王」などの歌曲は今日でも広く歌われています。ピアノ曲でも「即興曲集」など叙情性豊かな作品を残しています。本サービスでは、即興曲 Op.90・Op.142や「ハンガリー風のメロディ」などを収録しています。
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