説明
同じ1913年の小品集「あらゆる意味にでっちあげられた数章」の一曲で、「大きな石を運ぶ人」と題されています。重荷を背負った人物を題材に、楽譜にはその様子を語るサティらしい書き込みが添えられています。3曲の中では、もっとも動作の描写に重心を置いた曲といえます。
重い荷物を運ぶ動作を思わせる規則的なリズムと、そこに添えられたユーモラスな和声づけが、サティならではの風刺的な描写を生み出しています。約1分46秒で314音ほどと音数は少なく、一歩一歩を踏みしめるような間合いが大切にされています。音域は低音から高音まで大きく広がり、重さと軽さの対比が際立ちます。
中級レベルで、音域が広いため76鍵以上が向いています。演奏時間は2分弱ながら、律動の変化を的確に描き分ける集中力が求められます。歩みを止めないリズムの中にふとした表情の変化を見つける楽しみもあります。再生速度を落として一歩ごとの重さを確かめ、A-Bループで表情が変わる箇所を繰り返し聴くと、独特の世界観を味わいながら弾けるようになります。
サティが1913年に作曲した3曲からなるピアノ組曲。ユーモラスな曲想が持ち味のサティらしい、飄々とした味わいの作品
「章見出しの形式による描写」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
エリック・サティ (1866-1925)
フランス・オンフルール出身の作曲家で、モンマルトルのキャバレーで活動しながら独自の音楽美学を追求した異色の存在です。過剰な感情表現を排したシンプルな音楽やユーモラスな作品タイトルで知られ、後のミニマル・ミュージックやアンビエント音楽にも影響を与えました。本サービスでは、「ジムノペディ」「グノシエンヌ」の各曲や「やせっぽちのダンス」などを収録しています。
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