説明
1913年の風刺的な小品集「あらゆる意味にでっちあげられた数章」に収められた一曲で、「囚人たちの後悔」と題されています。閉じ込められた人物を題材にした曲で、楽譜にはサティらしい物語風の書き込みが添えられています。
調号や拍子にとらわれない書き方で、閉ざされた空間を思わせるやや重い雰囲気の中に、サティらしい皮肉と詩情が入り混じった独特の音楽が展開されます。約2分で590音ほど。短い時間の中に、静と動、明と暗といった多彩な表情の変化が凝縮されており、聴き手を飽きさせません。
中級レベルで、音域は鍵盤最低音のラから高音域まで広いものの、オクターブをずらせば76鍵でも全音を弾けます。拍の区切りに頼らず、音楽の流れそのものから間合いを感じ取ることが課題になります。再生速度を落として場面の切り替わりを一つずつ確かめ、A-Bループで表情の変わる箇所を繰り返すと、重さと皮肉が同居する独特の語り口がつかめてきます。
サティが1913年に作曲した3曲からなるピアノ組曲。ユーモラスな曲想が持ち味のサティらしい、飄々とした味わいの作品
「章見出しの形式による描写」の曲一覧を見る →楽譜提供: Mutopia Project
作曲家について
エリック・サティ (1866-1925)
フランス・オンフルール出身の作曲家で、モンマルトルのキャバレーで活動しながら独自の音楽美学を追求した異色の存在です。過剰な感情表現を排したシンプルな音楽やユーモラスな作品タイトルで知られ、後のミニマル・ミュージックやアンビエント音楽にも影響を与えました。本サービスでは、「ジムノペディ」「グノシエンヌ」の各曲や「やせっぽちのダンス」などを収録しています。
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